2009-07-27

なぜ、夏に氷が降るのか?

昨日の雷雨なんですが、6時頃にも一回大きな雷雲が通っていきました。
そのころにNYに帰って行かれた方から、
雹が降っていましたよ。でも、どうして、夏に氷が降るんだろう?
というコメントを昨夜の記事に頂きました。


そこで、お天気キチガイ魂に火がついて、
知っていることと、想像で思うことと、調べたこととをまとめて、
かきごおり版、どうして夏に氷・・・雹・・・が降るんだろう、
ということを書いてみようと思います。想像も少しはありますが、
大筋間違っていないと思います。
何か間違いがあったことに気が付いたお天気フリークの方、
専門家の方は、コメント欄に書き込んでください。


雷雨や雹をもたらす雲は「積乱雲」といいます。
積乱雲ができる原因は上昇気流です。
上昇気流が起る理由は、
いろいろありますが、
夏に多いのは地面が太陽に熱せられて、
地表付近の空気の温度が上がることによります。
温度が高い空気は軽い。そして空に高く上がっていく。
それを利用するのが「熱気球」ですよね。


上昇気流が起るときには、断熱膨張が起こります。


ここで、断熱膨張を説明しましょう。
普通空気が膨張するのは、空気を暖めたときです。
でも、もう一つ、気圧が下がったときです。
熱を加えないのに空気が膨張するのが、
「断熱膨張」です。


「上昇気流」で、高いところに空気が昇っていったときに、
気圧が下がるのです。
その時に、「断熱膨張」で空気の温度が下がるのですが、
そして、空気の温度が下がると、保てる水分が減ってしまって、
限界を超えた水分が水滴になるのです。それが雲です。


雲の中には水滴がたくさんあります。
大きな水滴、小さな水滴。
水滴は重力に引っ張られて落ちようとします。
しかし、上昇気流に押し戻されて、
落ちてきません。
または下に落ちてくるときに、
温度が高くなったり、
乾燥した空気の中を通って、
蒸発してしまうこともあります。


しかし、水滴が大きくなると、重さに耐えられなくなって、
雨となって降ってきます。


でも、その水滴の重さよりも、上昇気流が強いと、
雨粒は雲の中で上の方に押し戻されてしまいます。


そんな上昇気流の強い夏の積乱雲から降る雨は、
大粒の雨だったりするのです。


で、その積乱雲の中で、雨粒が落ちたり上がったりする中で、
ぶつかり合ったりする時に起きる静電気で雷が起きます。


そして、本題の雹ですが、
地表から1万メートルくらいまでは、
気温は1000メートル上がるたびに6.5度下がります。


地表が25度くらいの夏でも、
標高3776メートルの富士山で冬に雪が降るのも、
決して不思議なことではありません。


積乱雲は上昇気流が強いときは、
10000メートルくらいまで成長します。
単純計算して、積乱雲のてっぺんは地表よりも、
65度も低いことになります。


そのそこで冷やされた氷の粒が降ってくるのです。
もちろん、まっすぐ落ちてくるのではなくて、
途中で他の氷の粒とくっついたり、
また上昇気流で上の方に押し戻されたり、
だんだん大きくなって、だんだん重くなって、
とうとうその上昇気流よりも重力が勝ったときに、
雹となって降ってくるのです。


だから、上昇気流の強くなりやすい夏の方が大きな粒が降りやすいのです。
時々、Baseballサイズとか、Softballサイズとか、ニュースで聞きます。
それほど上昇気流が強くない冬は、降っても、5mm以下の「あられ」になります。


何だか長くなってしまいましたね。
最後の「本題の雹ですが・・・」からでも良かったかも。
でも、書いていてエキサイティングでした。


自分も子どもの頃から、
どうして夏に氷が降るんだろう、
どうして夏の方が大きな粒になりやすいんだろう、
と思っていたことに答えが出たみたいで。


また、懲りずに質問してください!

9 comments:

  1. 有難うございます。なぜ夏に氷が降るのか、わかった気がします。でもそれ以上に自然ってすごい!ってよくわかりました。

    「昨日雹が降ってすごかったよね~」といくら話しても周りになかなか信じてもらえなくて、「夏に氷が降るわけないじゃん」とか言われていたので、これで説明できます。http://www.accuweather.com/mt-news-blogs.asp?partner=accuweather&blog=Weathermatrix&pgurl=/mtweb/content/Weathermatrix/archives/2009/07/new_york_city_tornado_scare.asp には、"Quarter-sized hail pelted parts of the state" って。

    ReplyDelete
  2. なーるへそー。良くわかりました。どうも。(^。^)
    ついでに竜巻はどんな原理なんでしょう。
    昨日は日本の群馬県館山で竜巻が発生して、自動車も宙に浮くほどだったそうです。九州地方では豪雨続きで、大変な被害がでています。夏だというのに天気が悪くて。。。
    ノアの時代の怖さを少し思ったりしています。

    ReplyDelete
  3. 旧ジャージー7/27/2009 09:03:00 PM

    かきごおり先生
    ほっほ~~~!!!
    解説ありがとうございましたm(_ _"m)ペコリ
    夫に「雹」の質問してみよっと
    夫婦の会話~~話題づくりもありがとうゴザイマス<(_ _)>
    今日も午後から雨らしいです
    一体梅雨明けはいつになるのかしら??

    ReplyDelete
  4. Naokoさん、

    「夏に氷が降るわけないじゃん」とはひどいですねえ。
    だいたい、雹って夏ですよねえ。
    ・・・と思って、左の検索窓からサイト内検索をかけたら、
    雹が降った、と出てくるのが、今年の4月と去年の6月。
    必ずしも「夏!」って訳ではないんですね。

    Accuweatherの記事見てました。
    もう少し南の方はホントにすごかったみたいですね。


    Kenさん、

    竜巻ですか、館山じゃなくて館林ですね。
    こちらの朝の日本語放送でも言っていました。
    竜巻のメカニズムはまた難しいのですが、
    簡単に言ってしまうと、
    やっぱり上昇気流が昇っていくときに、
    ちょうど、水をためた風呂桶の栓を抜いたときに、
    ウズをまいて水が落ちていくように、
    空気も渦巻きたくなっちゃうんですよねえ。

    こんな説明だと、専門家に怒られそうなので、
    また今度、本格的バージョンをアップしますね。


    旧ジャージーさん、

    夫婦の会話のネタにお役に立てるかと思うと、
    ホントうれしいです。

    梅雨明け、なかった年ってなかったでしたっけ。
    確か、最後に家族で帰った、あれは、サキが1歳の誕生日の頃だから、7年前、2002年に梅雨が明けなくて、8月まで続いていて、梅雨、明けなかったんじゃないかと思いますが、どうでしたっけ。後で調べてみます。

    ReplyDelete
  5. 旧ジャージー7/28/2009 09:33:00 AM

    かきごおり先生
    アハハ、夫婦の会話のネタ成功(^^♪
    一生懸命
    上昇気流の中で雹の玉が大きくなっていく様子を
    手に架空の雹の玉を持ち
    それを上下に持ち上げ
    段々大きくなる様をジェスチャーつきでやってくれました
    「夏は、上昇気流が勝るから行ったり来たり
    滞空時間が長くなって大きくなるんだ!!!バカ!!」だって
    バカは余分だけど
    ああ~~~楽しかったブハハ(*^_^*)

    梅雨明け過去情報お待ちしております<(_ _)>

    ReplyDelete
  6. 旧ジャージーさん、

    ご主人すごいですねえ。
    確かにジェスチャー付きの方が、
    絶対言葉だけよりもわかると思いますよ。
    今度からはビデオにとって説明することにしましょう!

    さて、梅雨明けですが、
    過去の天気はここ↓でチェック出来ます。
    http://weather.goo.ne.jp/past/9999/12/662/index.html

    そこで気がついた
    いくつか勘違いがありました!

    2002年の8月の天気を見ると、
    結構晴れが多くて、かな~り暑い。
    おかしいなあ、と思って、
    パスポートを見てみたら、
    最後の家族での帰国は2003年でした。
    それも6下旬-7月末。
    サキは2歳直前だったんですね。

    こちら↓には過去の梅雨の期間が出てきます。
    http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/kako_baiu09.html
    その年の梅雨明けは、8月2日頃。
    つまり、自分が日本を離れるまで梅雨が終わっていなかったから、梅雨明けがなかった、と勘違いしたみたいです。なんて自己中心的な自分・・・。

    そして、梅雨が明けなかったのは、1993年でした。
    その年は冷夏で米が不作になって、輸入をした年です。
    のんちとハジだけ5-8月帰って、自分はアトランタで夏を過ごしました。結構暑かった!

    ちなみにその年を除くと東海地方で一番梅雨明けが遅かったのは、1954年、8月2日という記録があります。(関東は1982年の8月4日)
    今年は新記録か、はたまた、2度目の梅雨明けなし・・・か。
    どうでしょうかね。

    ちなみに私が生まれた日、生まれた町は、
    梅雨の最中で、天気も一日雨。降水量27mm。気温も24度。
    生まれたときから雨男だったみたいですね。(笑)

    ReplyDelete
  7. 旧ジャージー7/29/2009 01:52:00 AM

    かきごおり先生
    情報ありがとうゴザイマス<(_ _)>
    パスポートまで登場、お世話をお掛けしましたm(_ _"m)ペコリ

    1993年思い出しました
    梅雨に、毎日のように雨が降っていた年です

    今年の梅雨明けは
    夫が8月5日だと言いました
    理由は特になく勘だそうですアハハ

    表を見ると
    今年だけが凄く異常ではなく
    梅雨入りも梅雨明けも
    案外幅があるってことですね

    ReplyDelete
  8. 旧ジャージーさん、

    じゃあ、私は今年の東海地方の梅雨明けは「ない」と予想します。
    理由は特になく勘ですアハハ

    はい、きっと今年は「あの年は異常だったねえ」と言われると思います。
    でも、これからは毎年異常かも・・・温暖化で・・・。

    ReplyDelete
  9. 今日は日本で竜巻や雹が相次いだからでしょう。3年前のこの記事にアクセスが集中。

    それで気がついたのですが、この年の梅雨明け、東海地方では8月3日ごろだったみたいですね。
    旧ジャージーさんのご主人ほぼ正解。

    日本の竜巻では亡くなられた方もられたと聞きました。
    神様の慰めを祈りつつ。

    ReplyDelete